BASICS / 図解ガイド

IQの高い・低いをどう読むか

平均、分布、数値の差の意味を確かめる。

「高い・低い」は、検査の基準集団に対する得点の位置です。その一点から、その人の生活や人柄まで読み取ることはできません。
70−2標準偏差
85−1標準偏差
100平均
115+1標準偏差
130+2標準偏差

平均100・標準偏差15とした尺度上の位置です。

「平均以下」は珍しいことではない

標準化されたIQ尺度で平均が100なら、100より低い得点は平均より低い側にある、という意味だ。そこから「能力がない」「日常生活で困るはずだ」と飛躍することはできない。

例えば85は、平均100・標準偏差15の理論モデルでは1標準偏差低い位置にあたる。ただし、この一点から学校の成績も、趣味も、仕事の得意不得意も言い当てられない。数字は比較の位置を示すだけで、生活の全体像を映す写真ではないからだ。

知的障害をIQだけで判定しない理由

AAIDD(米国知的・発達障害協会)は、知的障害について、知的機能だけでなく「適応行動」と、発達期からの経過を合わせて評価すると説明している。

適応行動とは、日々の暮らしに必要な技能のこと。たとえば時間やお金を扱うこと、他者とやり取りすること、公共交通機関を利用することなどが含まれる。知能検査の課題成績と、実際の生活で必要な支援は、同じ数字では表せない。

AAIDDは知的機能の目安として70前後、場合によって75程度の値に言及する。ただし、それは自己診断の境界線ではない。専門家は測定誤差や背景、適応行動の評価などを考え合わせる。

数字が役に立つ場面もある

例えば、学習でつまずきやすいところを調べ、教え方を工夫するために評価が役立つ場合がある。「測らない方がやさしい」というわけではない。必要な支援につながるなら、情報としての価値がある。

問題は、数字そのものよりも、使い道だろう。IQの話で「高い・低い」という言葉を使うとき、分布上の位置を説明しているのか、その人を評価しているのか。その区別を曖昧にしたくない。

出典・参考資料

  1. APA|Deviation IQ ↗
  2. AAIDD|Criteria ↗

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