JOURNAL / コラム

IQという数字は、いつ役に立つのだろう

検査、学校、ネットの雑談。同じ数字でも使われ方はずいぶん違う。

知能をたずねて 編集部コラム
「IQが高い人の特徴」といった見出しを見るたびに、少し気になる。数字を知ることで本当に分かるのは、どこまでなのだろう。

体温計と、IQの違い

体温計で測った37.5度には、そのままの単位がある。IQは違う。基準集団の平均を100にそろえ、どの位置にいるかを表すために作った数値だ。

数字には便利なところがある。言葉だけでは伝えにくい違いを、比較できる。けれど、体温なら「高い」ことがその場の対応につながる場合もあるのに対し、IQは目的を抜きにして扱いづらい。

学習上の支援の必要性を考える場面と、インターネットで人を面白がってランキングする場面では、同じIQという単語が使われていても、やっていることは別だ。

130と聞いて、何を想像するか

平均100・標準偏差15の理論モデルなら、IQ130以上の割合は約2.3%になる。統計としては面白い。でも、そこから「この人は必ず勉強ができる」「他人の気持ちが分からない」といった話に飛ぶ根拠はない。

低い側についても同じだ。100未満なら何かが欠けている、と短絡的に考えるのも違う。低い側に人がいるのは、平均という指標の性質上、当然のことだ。

私たちの読み方

NAGCのギフテッドの定義を開くと、教育機会の話が出てくる。AAIDDの定義を開くと、生活の中で必要な支援の話が出てくる。

「数字の説明」だけで終わらないように原典を読むと、話が実際の人や学びの場面に戻ってくる。その往復を続けるサイトにしたい。

※ここに書いたのは資料を読みながらの編集上の考察であり、独自の調査結果ではない。

出典・参考資料

  1. APA Dictionary of Psychology「IQ」 ↗
  2. NAGC「What is Giftedness?」 ↗
  3. AAIDD「Criteria for Intellectual Disability」 ↗

図解や整理の文章は当サイトによる編集です。研究結果そのものと、編集上の提案は区別して掲載しています。

記事アーカイブへ戻る